ローカル5G環境を構築するために必要な学校での工事とは?

8月 11, 2023

“教育のITC化が進み、1人1台のタブレット端末を支給して授業で使用する学校が増えています。それにあたって学校の通信環境を安定させる必要があり、ローカル5Gを構築する学校も多いです。ではローカル5G環境を構築するために、学校ではどのような工事が行われるのでしょうか?まとめてみましょう。
【GIGAスクール構想を実現するために学校にローカル5G環境が必要】
文部科学省は2019年に「GIGAスクール実現推進本部」を設置し、2023年度までには義務教育段階の子供1人に1台の情報端末、および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備し、個別最適化された学びを全国の学校現場で持続的に実現させる予定です。GIGAスクール構想を実現するにはいくつかの課題があります。まとめてみましょう。
<校内のインターネット環境整備>
校内で利用できるインターネット環境を整備しなければなりません。大容量の動画視聴、オンラインテストをストレスなく行えることが校内LAN環境の標準仕様とされています。
<IPv6を活用したVPNを構築する>
IPv6とダイナミックDNSを活用してVPNを構築する必要があります。
<ローカル5Gを活用する>
総務省との連携によって、教育利用できるローカル5Gの活用モデルを構築し、活用モデルの実証が行われます。ローカル5Gを活用することで、商用基地局がない地域でも自前で超高速環境の利用が可能になるでしょう。
【ローカル5G環境を構築するために必要な学校での工事とは?】
ローカル5G環境を構築するために、学校で必要になる工事には
・基地局設置工事
・GPS設置工事
・アンテナ設置工事
などがあります。それぞれ解説していきます。
<サーバ室での基地局設置工事>
サーバーラック内に基地局として機能する機器を設置します。また校内LANに接続するための配線工事や各機器を稼働させるための電源工事も行われます。ラック内に設置される機器は
・5G EPC
・L3スイッチ
・5G基地局
・4G基地局
・UPS(無停電電源装置)
などです。
<屋上へのGPS設置工事>
ローカル5Gの通信には、GPSで基地局間の時刻を同期させる必要があります。そのため学校の屋上にはGPSを設置します。
<アンテナ設置工事>
5Gと4Gの2種類のアンテナを設置します。アンテナの特性を考えながら、5Gを利用したいエリアを十分にカバーできるように設置場所やアンテナの向きを考えます。
【ローカル5G運用にあたって考慮すること】
ローカル5Gを運用するにあたって考慮することについてまとめてみましょう。
<ポイント1、ネットワークの監視業務>
運用フェーズにおいて、ネットワーク監視を行うことは非常に重要です。監視ツールを導入してローカル5Gシステムの運用状態を確認して、障害検知を行うといった運用保守業務は専門知識が必要な作業になります。万全なセキュリティを担保するために、5Gネットワークを構築した事業者に相談するなどして対応しましょう。
<アンテナの追加や電波強度の調整>
ローカル5Gネットワークを利用する中で、使用端末台数が増えたり、接続場所に変化があったりすると授業の進め方が当初の計画から見直されることもあるでしょう。接続台数が増えて、以前よりつながりが悪くなってしまった…、新しい教室でもパソコンやタブレットを使うようになったから、教室によってネットへの繋がり方に差が出るようになってしまった…などの変化があれば、ネットワーク構築事業者に相談するようにしましょう。状況に合わせてアンテナを追加したり、電波強度の調整を行ったりすることが必要になります。
<ネットワークへ接続するデバイスの追加>
ローカル5Gが普及すれば、接続可能なデバイスが増えることが考えられます。パソコンやタブレットの他にも、ローカル5Gに接続したいデバイス、無線に対応したプリンタなどが出てきた場合は、ネットワーク構築事業者に相談するなどして、接続設定をすることが必要になるでしょう。

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